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Story

Story vol.3
小さな時計の贈り物
1970年に発表された、渡辺力氏デザインの「小さな壁時計」。

当時、贈答品用で需要の高かった壁掛けの時計は、過剰な装飾と大きなサイズが主流でした。その中で、この小ぶりでシンプルなデザインは、画期的なものとして、多くの建築家やデザイナーに支持されていたのです。

生産終了となっていた、パーソナルクロックの先駆けとも言える、この名作を復刻するにあたって、サイズやレリーフ文字、針止めなど当時の雰囲気はそのままに、新たに型を起こし、デザインも見直しました。

それが、「小さな時計」渡辺力モデルです。
いだわり抜いたディテールと
味わい深い佇まい
厚みのある本体
この「小さな時計」の最大の特徴は、立体的な文字にあります。一体成型により、凸状に浮かび上がったかたちが、美しい陰影を作り出しているだけでなく、本体の厚みとも呼応して、小さいながらも存在感のあるデザインです。
やわらかな表情
さらに、よく眺めてみると、ガラス面まで丸く立ち上がった文字盤、そこに施された、目盛りやデザイナーのサイン(Riki)のレリーフ、数字の書体。円柱型の本体だけでなく、あらゆるところにちりばめられたアールが、表情を和らげています。
また、1970年当時にはなかった専用のスタンドを新たに追加することによって、置き時計として様々なシーンにも対応できるよう配慮されています。

シャープさが際立つと、空間を選んでしまうものですが、その点、「小さな時計」は幅広く受け入れられ、愛され続けていくのではないでしょうか。
私たちの住まうかたちが、より白く、より明るく変わっても、きっと「小さな時計」は似合うことでしょう。

しかし今、「小さな時計」を手に取って、その味わい深い佇まいに心を寄せてみると、華やかで上品な、レトロモダンな雰囲気が漂ってくるような気もします。

復刻された「小さな時計」が伝えるもの、それに耳を傾けてみませんか?

Designer

渡辺 力
(1911 - 2013)東京高等工芸学校木材工芸科卒業。母校助教授、東京帝国大学(現東京大学)林学科助手等を経て、'49年日本初のデザイン事務所を設立。東京造形大学室内建築科、クラフトセンター・ジャパン、日本インダストリアルデザイナー協会、日本デザインコミッティーの創設に深く関わる。京王プラザホテル、プリンスホテルなどのインテリアデザイン、ヒモイス、トリイスツール等の家具、また壁時計に始まり日比谷第一生命ポール時計などパブリッククロック、ウォッチまで時計の仕事はライフワークとなった。ミラノ・トリエンナーレ展金賞、毎日デザイン賞、紫綬褒章など受賞多数。2006年、東京国立近代美術館にて「渡辺力・リビングデザインの革新」展を開催。

Lineup

小さな時計
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