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Story Vol.17

花入れのブランド【veranda】 第一弾

水耕栽培のヒヤシンス球根が根を広げやすいカタチ、出来合いのブーケが投げ入れただけで決まる寸法をした、真鍮と錫の花入れ。毎日の生活にもっと気軽にお花を。自由な心で楽しく暮らすための「影の力持ち」としてお役立て頂ければ嬉しいです。

[デザイン・文:土橋 陽子]

水耕栽培のヒヤシンス球根が根を広げやすいカタチ、
出来合いのブーケが投げ入れただけで決まる寸法をした、真鍮と錫の花入れをデザインさせて頂きました。

毎日の生活にもっと気軽にお花を取り入れて、自由な心で楽しく暮らすための「影の力持ち」としてお役立て頂ければ嬉しいです。

水耕栽培のヒヤシンスは、忙しい私たちの応援団。
根っこが見えないホルダーが欲しい。

10月、11月に球根をセットすれば、
ちょっとお水を換えてあげるだけで、
2月終わり〜3月に必ず咲いてくれる。
一輪咲いただけでお部屋を春の香りに包んでくれる。
しかも次々咲いてくれる。

秋のイベントシーズンを駆け抜け、年末・年始に年度末って忙しいですよね。
そんな「私たちの繁忙期」を応援してくれるんです。
「もうすぐ、春だよ」=「もうすぐ自由な時間とれる時期」って知らせてくれる。

既に世の中にはガラスで機能的なものも、素敵なデザインのものもありますが、
根っこが見えない=どれだけ育ってるか分からないものが咲くのを待つ。
そこにロマンチックを感じるんです。

球根の時期じゃない時は、お花屋さんがあらかじめ作られている「出来合いのブーケ」が綺麗に生けられる寸法になっています。

お夕飯の買い出しの時に一緒に買って、パッと生けたらテーブルへ。5分で買える日常の贅沢を静かにサポートします。

初対面はドラマチックじゃなくちゃ。
たとえ毎日使って馴染んでもらいたい
花入れであっても、だからこそ。

プレゼントを開ける時のワクワクした感じって素敵ですよね。日々の暮しに馴染んで「日用品」になっていっても、その瞬間の記憶は華やぎをくれるものです。愛着をもってお使い頂けるよう、素敵な開き方をする箱をご用意したい、本体をデザインし始めた時からそう考えていました。
だったら、アノ人しかいません。

立川市のプレミアム婚姻届で一躍有名になってしまった、(でも私にとっては不思議な箱を作る天才の)三星安澄氏(写真:右)にしか作れないような箱じゃなきゃイヤ!!!とレムノスの菊地さん(写真:左)に懇願しました。念願かなって、パッケージとパンフレット、ロゴは三星安澄氏によるものです。

「映画・ブタペストホテルのメンドルの箱のような、パラリと開いて、真ん中に主役が立っているようなパッケージにして下さい」とお願いしました。
ほとんど発明のようにパカリーン♪と開く、魔法のような箱を作ってくれました。

ブタペストホテルのメンドルの箱
https://www.youtube.com/watch?v=Rz_U7sxBKqk

bulb & bouquet は、【veranda】という
花入れのブランドの第一弾です。

いつも心にベランダを。

たとえ忙しい時でも、風通しの良いお部屋からベランダを眺めるような、落ち着きを芯に持ちながら動いていたい。
朝のお水替えの時に心が整い、自由な心で一日を始められたら。

そういう想いをこめたブランド名です。

ベランダは

① 真鍮の「ゴールド」&錫の「シルバー」で、どのようなインテリアにも合う素材感を。ゴージャスなイメージが先立つゴールドと、クール&カジュアルなイメージのシルバー。素材そのものの色があることで、どのようなインテリアにも合う素材感をしています。

ペンダントのようにかけた、ブランド名【veranda】の錫製のモチーフ。ちょっとカジュアルな印象を持たせたかったのと、「お届けする気持ち」を表わしています。取り外してみると和の設えにもしっくりと決まります。


②どこかで見たことのあるカタチは、茶道具の花入れを参考にしています。

贈り物や、ご自身へのプレゼントとして「箱をあけるところから」、花(華)のある生活をお届けできれば光栄です。

追記:開発のきっかけ

故・高田博社長と雑談していた時に、工場の回転率のアンバランスについておうかがいしました。「回転体で磨きの工程がすくない商品群」が解決できそうだし、高田製作所の良さを発揮できるだろうと。
それから「貴女らしいものがいいのです」とも。背中を押して頂き、見守り続けて頂いたこと忘れません。

Yoko Dobashi

株式会社イデーに5年間(’97~'02)所属。定番家具開発や、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。2012年より「Design life with kids Interior workshop」主宰。フリーランスデザイナー・インテリアライターとして、様々な企業や媒体と協働して独自の活動をしている。2017年にタカタレムノスにデザイン提供したfun pun clockがグッドデザイン賞受賞。Precious.jpにて「身長156センチのインテリア」連載中。