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Story Vol.27

一時間に一度、「夢」に近づく時計 〈Herstory〉がうまれるまで

風船や蝶をつかまえるように、手を伸ばして「夢」を追う女の子。彼女の物語を時計に仕立てた〈Herstory(ハーストーリー)〉
ドリーミーな世界観に内包された強いメッセージとパッション。
デザイナー・うふふまいこさんに、開発秘話を伺いました。

Lemnos STAFF(以下、略)-うふふまいこさん、ポエティックな作品にも通じるような、印象的なお名前ですね。

うふふまいこさん(以下、略) :学生時代、自分が作った作品で友人たちが笑ってくれたときに、『わたし、生きてる!』とすごく幸せを感じて。人を笑顔にすることができたらどんな幸せだろう、もっともっと『うふふ』にできたらと思い、名前にも付けました。大学卒業後、広告代理店でアートディレクターとして働いていて、仕事もとても楽しかったのですが、自分オリジナルの作品で、世界中の人を笑顔にさせたいと思って独立の道を選びました。

独立する前から、自分がデザインした時計を商品化したいと思っていて、デザイン性が高い時計メーカーを見つけてご連絡したのがレムノスさんとの出会いです。最初ご提案した時、レムノスのテイストと合わないと断られたのですが、でもどうしても諦めきれず、後日再アタックして「私が自分で販売するので作ってほしい」とお願いしました。 販売網も何もない中、時計をつくりたいという気持ちだけで突き進んだのです。

- このuhuhuclockが縁となり、「Herstoy」へと繋がります。

一時間に一度、針が重なる瞬間に物語がうまれるコンセプトは継承され、「夢」を軸にデザインした素案がベースになりました。今回、3人の女の子が時計の針に見立てられていますが、それぞれイメージがあったりするのでしょうか。


:はい、もちろん、それぞれキャラクターがあります。
balloonの女の子は、丘の上で風を感じることが大好きな子です。そよ風のように自由で、フランクで、好奇心旺盛な女の子です。
butterflyの女の子は、お花が好きで、毎日お水をあげて大切に育てている心優しい子です。
shooting starの女の子は、少し夢見がちなガール。でも自分のすきなことには努力を惜しまない芯のしっかりした一面もあります。
共通しているのは、自分の個性を大切にして夢に向かって頑張っていること。今の時代の女性を投影していると思います。

- エネルギッシュなうふふまいこ氏ですが、Hertosy発売までの道のりは長かったと述懐されます。

:何年も前から制作してきましたが、コロナ禍で一時ストップしてしまい、原材料の高騰、円安と社会情勢も激変していきました。プライベートでも出産育児と重なり、本当に完成できるのだろうかと思いつつも、諦めずに粘り強く試行錯誤を繰り返してきました。先に述べた、コンセプトとデザインを成立し、時計として完成させる作業はトライ&エラーの連続でした。

- うふふさんは、グラフィックやパッケージデザインも多く手がけてこられてきて、時計、プロダクトデザインではプロセスの中で違いなどありましたでしょうか。

:時計は動くプロダクトとしてとても魅力を感じていたのですが、どこの時間を切り取っても美しい形にみせるのはたやすいことでなく、デザインの難しさを痛感しました。

アイディア段階で浮かんでいた数字指標のフォントは、風が流れるような空気感を意識して作ったオリジナルのデザインです。軽やかで繊細なイメージで、視認性も確保するよう文字盤 全体のバランスを整えました。時計枠は色々悩んでいた時に、すすめてくださったアルミ枠がとてもしっくりきて、直感でいいなと思ったんです。金属の質感が全体をシャープにまとめ、またガラスが入ったことで、物語をのぞくような世界観に仕上がったと思います。

そして、数年越しの2023年インテリアライフスタイル展で「Herstory」の試作品を発表することができました。レムノスさんのプロダクトと一緒に並び、お客様と直接対話して、良い反応をいただけた時は本当に嬉しくて。今まで頑張ってきたこと全てが報われたような気持ちでした。その後、9月に出展したminneさん展示会では予約オーダーもいただけました。

デザインに対し、厳しくも優しいお言葉をくださった菊地専務、一緒に伴走し続けてくれたレムノス大道さん、東京オフィス、本社の方々。試作から発売まで一切の妥協なく応えてくださった皆さんのお力添えのおかげで「Herstory」が完成しました。

- うふふまいこ氏のクリエイティビティの源となっているものを教えてください。

:思わず『うふふ』となってしまうアイディアですかね。
日常のテーマもうふふ、なので、例えば家族と喧嘩しても笑わせてすぐ仲直り。どうやったら家族や友人、周りの人に喜んでもらえるかを常に考えているので、それが作品に繋がっていると思います。 

子供の頃から絵を描くことが大好きで、毎日絵を描いたり、デザインしています。何か手をうごかしていないと落ち着かないんです。だから、ものつくりを仕事にできたことが本当に幸せです。

- 最後に、長い時間をかけて完成した「Herstory」への思いをお聞かせください。

:時計の主役となっているHerstoryの彼女たち(針)は、どんな時も前向きで、いつも夢に向かって進み続けています。失敗しても、落ち込んでも時間は戻らないし止まってもくれません。ただただ前に進むしかないしかないと気づかせてくれ、私を引っ張ってくれます。

夢を叶えるのはとても難しいことですが、でもその夢に誇りを持って努力し続ければ、何か実るものは必ずあると信じています。Herstoryが世界中の女性の夢を考えるきっかけになり、たくさんの女性たちの夢を叶えるサポーターのような存在になってくれたら嬉しいです。


笑顔で語る、うふふまいこ氏の手から紡ぎ出された「Herstory」は、ポジティブなオーラと温もりにあふれている。 夢に向かう誰かの応援歌になれるよう、願いが込められて。

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Uhuhu Maiko

6月10日「時の記念日」生まれ。
東京工芸大学デザイン科卒業。広告代理店ADKに入社し、デザイナー、アートディレクターとしてロゴ、パッケージ、キャラクターなどのグラフィックデザインや新聞・雑誌、交通、CM、PV、MV、WEBなどの幅広い広告制作の経験を積んだ後、独立。2017年に『uhuhu』を設立し、デザイン業と並行しながら、「思わずうふふと微笑んでしまうような」をコンセプトに、自身が開発するギフト商品を販売している。
受賞歴にはCannes Lions Finalist、ACCヤング・クリエイティブ・コンペティション入賞、TIAA Google Innovative Work部門入賞、消費者のためになった広告コンクール銀賞、環境コミュニケーション大賞優秀賞、dクリエイターズ×TOKYO DESIGNERS WEEK賞、minne handmade award 2018 SPECIAL PRIZE賞などがある。